2017/03/15 【経済・統計】 中国:「自転車シェア」にモラル問題、破壊車両続出で修理市場混乱

 中国都市部でブームとなっている自転車シェアリング(レンタサイクル)を巡って、一部利用者のモラル欠如が問題化している。タイヤをパンクさせしたり、ロックを破壊したりする行為が横行。自転車修理業界は空前のパニック状態にあるという。澎湃新聞が14日付で伝えた。
 北京市朝陽区のある自転車工場には、修理を待つシェアリング自転車で溢れかえっている。その数は足元で約3000台にまで積み上がった。10人ほどの修理工で毎日数百台を修理しているものの、次から次へと修理依頼が舞い込んでくる状況という。
 これらの車両は、一見すると大きな問題がないようにみえる。しかしタイヤや施錠などの不具合で正常運営できない状態だ。「いたずら」による愉快犯が多数を占めるとみられる。パンクに関して言えば、通常であればタイヤ底部に穴が開くはずだが、修理に出される車両はほとんどがタイヤ側面に破裂がみられる。誰かが針や鋭利な刃物などで穴をあけた可能性が濃厚。ロック故障も同様に、利用者の故意的な行為が主因だ。QRコードを塗りつぶしてスマートフォンによるロック解除を無効化した上で、鍵を付け替えて私物化する不正が散見される。
 こうしたなか、修理業界は混乱状態に陥った。修理依頼が激増する一方、修理工は極度に不足していて、需要に対応できていない。電動自転車の普及につれて、自転車修理技術を持った熟練者が減っていることも背景にある。数年間修理の現場から遠ざかっていた人がシェアリング自転車の修理に駆り出されている状況だ。
 もっとも、モラル問題が未解決にもかかわらず、自転車シェアリングサービス業者は車両投入に依然として積極的だ。「ofo」と「摩拝単車(Mobike)」の両大手に限っても、2017年の車両投入規模は合計で2000万台に迫る勢いにある。
 自転車シェアリングの利用は、中国で急拡大している。中国で自転車シェアリングサービスを展開する業者は足元で15〜20社。北京比達信息咨詢有限公司(Big Data-Research)の調査報告によれば、25〜35歳、または25歳以下が多用。主力のユーザーは、これら若年層で占められた。モバイル機器、アプリを使いこなす人たちに多用されている。国内ユーザーの総数は16年末時点で1886万人に達した。業界大手の自転車保有は、「ofo」で100万台あまり、「Mobike」で80万台を数える。

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