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  ニュース     2019/12/09 19:59

中国:パナソニックが16年ぶり家電工場新設、「シェア獲得困難」の声も 無料記事

 パナソニック(6752/東証1部)は6日、中国浙江省に調理家電を生産する新工場を建設する計画を明らかにした。同社が中国に家電工場を新設するのは16年ぶり。45億円を投じる計画で、2021年の操業開始を見込む。中産階級が拡大する中国で、今後も需要の伸びが期待できるとの見方だ。ただ、中国メディアによると、パナソニックが中国の調理家電市場でシェアを奪うのは容易ではない――との声も聞かれる。
 日本での報道によれば、新工場は嘉興市に建設される計画で、敷地面積は5万平米。電子レンジや炊飯器などを生産し、中国国内向けに販売するほか、アジア向けの輸出も予定する。中国現地の技術者を採用し、製品の開発なども新工場で行う構えだ。
 報道によると、パナソニックの中国での家電売上高は2019年3月期で約130億人民元(約2000億円)にとどまり、シェアは数パーセント程度。海爾(ハイアール)や美的(マイディア)といった現地の白物大手が一定のシェアを握るほか、小米(シャオミ)などの新興勢が進出する中で市場競争が激化している。パナソニックは「シェアが低い分、開拓の余地がある」と強気の構えだが、中国現地のアナリストは同社の先行きに慎重なスタンスだ。
 中国のキッチン家電市場について、業界アナリストは確かに成長期待の高い分野であると指摘。今年11月11日の「独身の日(シングルデー)」セールでは、レンジフード、ガスコンロなどが2ケタの売り上げ増を記録したことに言及している。ただ、認知度の高い現地メーカーが一定のシェアを握っており、そこから市場を奪うことは難しいとの見方だ。中国現地での、アフターサービス体制が整っていない点なども不安要素として指摘されている。


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