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  ニュース     2020/07/06 18:59

中国:上海経由の1〜5月完成車輸出30%増、欧州でNEV売り込み 無料記事

 新型コロナウイルスの世界的な蔓延という強い逆風が吹きつけるなかでも、上海市の完成車輸出が拡大を続けている。中国最大の自動車輸送船岸壁を擁する上海海通国際埠頭から1〜5月に輸出された自動車は、前年同期比で30%を超す伸びを示した。特に4月は前年同月比97.4%増の3万3500台と約倍増。6月も2万台を超えて、前年同月比2ケタの伸びを持続したもようだ。解放日報が5日付で伝えた。
 特に新エネルギー車(NEV)の輸出増が目を引く。上海外高橋港区に位置する上海海通国際汽車埠頭では6月16日、電動車1285台を積載した自動車専用船が欧州に向けて出港している。これらの車両は、吉利控股集団と傘下のボルボ・カーがブランドを共同保有する「ポールスター(極星)」車。7月からの世界向け納車開始に向けて、輸送プロセスに入った。その1週間前には同じふ頭から、上海汽車製の電気自動車(EV)「MAXUS EV30」318台がノルウェーに向けて輸送されている。同モデルはノルウェー市場で1000台を超える受注を獲得。今回はその引き渡し第1陣となる。
 海通国際汽車埠頭の関係者によれば、今年に入って「名爵HS(MG HS)」、「大通(MAXUS)」といった上海汽車グループの自主ブランド車や、ボルボ、起亜、現代など合弁ブランド車の輸出が軒並み目立って伸びた。南アジア、南米、中東などが主要な輸出先だが、足元では中国産NEVの欧州向け輸出も増えている。
 こうしたなか、天津、広州、大連と共に「中国四大自動車輸出港」を形成した上海市のプレゼンスは高まってきた。全国自動車輸出に占める上海市の比率は、前年同期の64%から足元で68%にまで拡大した。海通国際汽車埠頭有限公司は周辺土地を賃借し、既存面積を150%上回る一時保管場所(ストックヤード)を確保。急ピッチに拡大する輸出需要に対応している。
 近年は中国自動車企業が海外で販売攻勢を強めている状況だ。税関総署によると、中国の自動車輸出は18年と19年の2年連続で100万台を突破している。企業別の19年実績は、上海汽車集団が23万8000台で輸出トップを飾った。今年は新型コロナの混乱で、海外の自動車生産が相次ぎ停止。一足先に生産を再開した中国車が輸出を大きく伸ばしている情勢にある。


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