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  ニュース     2020/07/07 18:59

“中国版ZARA”上海拉夏貝爾服飾、2期連続赤字で上場廃止リスク 無料記事

 “中国版ZARA”と称されるレディスカジュアルブランド企業が上場廃止のリスクに直面している。1998年創業の上海拉夏貝爾服飾(シャンハイ・ラ・シャペル・ファッション:6116/HK)は、中国国内に1万店規模を展開するまでに事業規模を拡大したが、急激な拡張路線が裏目に出て2年連続の赤字を計上した。直営店モデルの脱却や不採算ブランドの整理を通じ、足もとで経営改善に取り組んでいる。国際金融報が6日付で伝えた。
 同社は2014年10月に香港、17年9月に上海に株式を上場している。決算提出期限を過ぎてこのほど発表した19年12月期の通期業績は、24.66%減収、最終赤字21億6000万人民元(約330億円)という内容。2期連続の赤字が確定したことで、7月1日から「上場廃止リスク警告銘柄」として取引されている。
 上場に成功して以降の同社は、拡張路線をひた走っている。11年以前は傘下3ブランドの店舗数が2000カ所に満たなかったが、12年に「多ブランド」戦略に切り替え。直営店方式を主軸に、ピーク時店舗数を1万カ所近くまでに増やした。
 しかし、急激な拡張戦略は、人件費や店舗家賃などの運転コストを急膨張させる副作用をもたらしている。17年以降は業績が低迷。同年純利益は前年比6.29%減の4億9900万人民元に落ち込んだ。18年は1億6000万人民元の損失を計上し、上場後初の赤字転落を喫している。業績不振と比例するように、店舗数を急速に圧縮。18年の1年間だけで4391店舗の閉鎖を余儀なくされた。
 こうしたなか、同社は足元で再起を図っている。新型コロナウイルス流行の逆風を受けるなか、コストが膨らみやすい直営店モデルを見直し。共同経営やフランチャイズなどの店舗経営方式を併用した。不採算ブランド資産の売却も進めている。


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